Twitter RSS FacebookPage

スポンサー広告

スポンサーサイト

  • --.--.-- -- --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

カテゴリ:スポンサー広告

コラム

ロジャースの戦略マネジメント

  • 2012.12.14 Fri 11:45
 「経営マネジメントの視点をフットボールにもちこんでみよう」。

今日の更新は、そんな突拍子もないアイディアから生まれました。ロジャースがリバプールというチームをいかにマネジメントしているか、前任のダルグリッシュのマネジメントと比較してみていきたいと思います。かなりボリュームがあり長文になっていますが、最後までお読みいただければ幸いです。



基本理念


 まず組織において最も重要なのが「基本理念」です。基本理念はその組織が何を目的とし、どんな価値観で行動するのかを表すものです。そしてフットボールにおいては、全てのクラブにおいてその目的は「勝利」の二文字であるはずですが、価値観についてはクラブごとに異なるでしょう。
 残念ながらリバプールの理念が明確に記されたものをみつけることができなかったので、ここはひとまず大前提の「勝利」を理念として進めていきたいと思います。


ビジョン・ミッション


 基本理念が決まったら、次は「ビジョン」および「ミッション」です。ビジョンとは基本理念を踏襲した将来のあるべき姿で、ミッションはその具体的な到達目標です。
 今のリバプールで言うならば、ビッグクラブとしてTOP4に返り咲くことがビジョンでありミッションとなるでしょう。


戦略


 そしてここからが監督の手腕の見せ所、「戦略」です。戦略とは持続的な競争優位性を保証するための一貫した施策、と言えます。そして戦略には「方向性」と、それに沿った「アジェンダ」が必要です。アジェンダはこの場合「検討課題」と訳し、事業と状況を踏まえた課題を指します。
 ではまず、前任のダルグリッシュの戦略を見てみましょう。ダルグリッシュが競争優位性を保証するために掲げた方針は、「ポゼッションを高めること」でした。そして戦略を実現するためのアジェンダは、ダルグリッシュのさらに前任のホジソンが用いていた、ブロックをつくることから始まる守備のやり方を見直し、高い位置からのプレスを仕掛けることでした。
 次にロジャースです。戦略の方向性は「ポゼッションを高めること」もそうですが、「フットボールのテンポ/スピードを上げること」もロジャースは掲げました。戦略を実現するためのアジェンダは、根本的なパス能力の改善とパスをつなぐための連携や動き方の改善、そして選手間の距離のバランスを取るよう意識することです。
ここでの両監督の違いは、同じ方向性を持ちながらも明らかにロジャースの方がアジェンダの設定が明確だということです。


意思決定


 戦略を立てた後は経営資源配分を規定する「具体的な策」とそれに伴う「意思決定」です。このレベルではコントロールできる要素をどう活かし、コントロールできない要素(不確実性)にいかに対処するかが重要になってきます。
 実はここでは、ダルグリッシュは明確な意思決定というものをしていません。言わばビジョンや戦略はスローガンのような部分があり、リーダーシップによって組織の人間を引っ張っていく要素が強く表れる部分です。ダルグリッシュは自身の偉大過ぎるリーダーシップ故に、意思決定を明確にしないまま「俺について来い」とだけ言っていたのです。
 対してロジャースは、コントロール可能な経営資源の配分として最も分かり易い、フォーメーションを新たに規定しました。それは高い位置からプレスをかけ、また相手のサイドを抑え込むための4-3-3の固定です。中盤の3を逆三角形に配置し、前列の2人のMFを積極的に相手中盤にプレスにいかせもしています。
 そしてまた別の意思決定をしています。それはロングボールを極力使わないことです。ロジャースはキーパーからボールをつなぐことを求め、前線の選手にはクロスを上げることを禁じたのです。これによって、パスをつなぎパスで崩すというコンセプトの浸透は早くなります。しかし同時に、低い位置でのパスミスや、クロスを上げていたら得点できたかもしれない状況が起こりうるという不確実性と向き合わなければいけません。
 さらには、カウンターフットボールで名を上げたクラブにパスフットボールを持ち込むという、大きな意思決定もしています。監督としてロジャース自身が良いと思うフットボールをすることが一番ではありますが、異なるスタイルを得意としている選手が多くいる状況では、ロジャースの求める選手が限られます。その結果、特定の選手の酷使によるケガのリスクや、能力の未知数な若手を起用しなければいけないという不確実性を抱えることになりました。
ここでも両監督に大きな差が出ました。ロジャースは戦略を実行する上で明らかに重要な意思決定を複数していることが分かります。


実行計画(アクションプラン)


 ここまで来たら後はいかに戦略を実行するか、その「実行計画(アクションプラン)」がものを言います。ここでビジョンを実現させるための土台や仕組みづくりを行います。
 ダルグリッシュにあるのは戦略の方向性と薄っぺらいアジェンダだけでした。結果、どうやってポゼッションを高めることを実現させるかの明確な方法論を持っていませんでした。
 ロジャースは違います。まず普段の練習からボールに触れながら行うものを増やし、素早いパス回しに必要なボールタッチの技術の向上に努めました。そして試合時のプレーもテンポよくパスを回せるようにパス&ムーブと頻繁なポジションチェンジを求めます。また攻撃時にはサイドバックもペナルティエリア付近まで来て崩しに参加することを求めました。選手起用の点でも、純粋なウィンガーをウィングの位置に置くのではなく、エンリケやスソなど内に切れ込んだり周りと連携の取れる選手を好んで起用しています。
ここまでくれば、しっかりとした戦略と意思決定の成されているロジャースがより具体的なアクションプランを立てられ、ダルグリッシュにそれができていないのも当然の流れと言えます。


 このように、経営マネジメントの考え方に照らし合わせると、ロジャースはビジョンから戦略、意思決定、そしてアクションプランまで一本の筋が通ることが分かります。それこそが、わずか半年にして現時点で既にパスサッカーが浸透してきている所以なのでしょう。
 逆にダルグリッシュはロジャースのように筋が通っておらず、スローガンだけかかげて後は持ち前のリーダーシップでごまかしていたことがわかります。その証拠に、攻撃の形はシーズンを通して見えず、彼のリーダーシップの効用が切れ始めたのか、シーズン終盤にチームの調子は下降していきました。



こうしてみれば、今後もロジャースがどのようにチームをマネジメントし、どれだけ良いチームにしていってくれるのかワクワクできる気がします。順位表ではまだ真ん中ですが、これから確実に駆け上がって行ってくれることを願って応援していきましょう!

なおマネジメントの考え方について筆者は素人なので、専門に勉強している方や、日ごろから仕事として直に触れているような方がいらっしゃれば是非ご意見、ご感想をお寄せください。

最後まで読んでいただき、どうもありがとうございました。

カテゴリ:コラム

COMMENT

やっとじっくり見ることができましたww
ケニーとロジャースとの比較を用いていてとてもわかりやすかったです。
ロジャースは自分のフットボールには何が必要で何が必要でないか、そしてこのチームで今なにをするべきかというのが明確なんでしょうね。理論派?の監督だと思いますし、試合中にメモを取るのがその現れだと思います。(ケニーはとらずに腕組んでましたしねww)
対してこの記事を見ただけだとケニーはズタボロですがw、皐月さんもおっしゃっていた通り、彼は明確はプランを持っていないということはファンも思っていたでしょう。しかしリーダーシップというものだけでカーリングカップ優勝・FAカップ準優勝まで勝ち上がったのは「キング・ケニー」がなせる技でありロジャースには無理だろうと思いました。この戦略マネジメントのような理論では当てはまらない部分が試合に影響するのもサッカーの魅力だと個人的には思います。
コメントするのが遅くなりましたがとてもおもしろかったです。
また次回の記事に期待してます♪

> オセ♪さん

コメントありがとうございます!
正にロジャースが経営マネジメントの意味での戦略を大事にし、ダルグリッシュが「理屈より気合い」な監督だったので、今回はその戦略に焦点を当てた記事と言うことで対比してみました。
おっしゃる通り、ダルグリッシュには理論を超越するリーダーシップがあったのは間違いありません。またサッカーが人対人である以上、理論だけで成功できるわけでもないですもんね。フロントがダルグリッシュ解任しロジャースを選んだことは受け入れていますが、選手にもファンにも慕われる素晴らしい人物が去っていった事には寂しさを感じました。
「次回の記事」にどんなことが「期待」されてるか怖いですがw、これからもがんばります^^

EDIT COMMENT

非公開コメント

Comments
<>+-
Categories

openclose

League Table
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。