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コラム

ロジャースの本当の敵は誰だ

  • 2014.01.02 Thu 23:42
クリスマスを首位で通過したリバプール. 就任2年目にしてその哲学が浸透し始めたブレンダン・ロジャースがもたらしたもの何か, その弊害は. トップ4に入るための勝負の後半戦, ロジャースの希望と危うさを紐解く.




2012年5月17日、リバプールのオーナーであるフェンウェイ・スポーツ・グループ(FSG)は大きな決断をする。低迷するチームに息を吹き込み、あわや二冠を成し遂げるまでに復活させたケニー・ダルグリッシュ監督を解任したのだ。当時クラブは次のような声明を発表した。「今シーズンを注意深く、慎重に振り返った結果、監督交代が適切であるとの決断に至った。」またFSGのワーナー会長は「プレミアリーグでは残念な結果に終わった。これまでの進歩から、さらなる積み上げを狙うには、変化が必要だ」とコメントしている。それから2週間後の6月1日に発表された新監督が、ご存知ブレンダン・ロジャースである。ロジャースは10/11シーズンに当時二部のスウォンジー・シティの監督に就任。1季目で一部昇格を果たすと、勢いそのままに11/12シーズンも11位で終え、プレミアリーグ初参戦のチームとは思えない好成績を残した。その業績が買われ、リバプールの新監督候補として白羽の矢が立ったのだった。

しかしオファーがあったのはロジャースだけではない。現在エヴァートンを率いるロベルト・マルティネス監督も当時リバプールから誘われた一人だった。しかしマルティネスは申し出を断っている。当時を振り返りマルティネスはこうコメントしている。「あの時は私としてもウィガンとしても次にどうすべきか考えようとしていた。いいタイミングでもいい移籍でもなかったんだ。」だが同じく候補になったロジャースは決断した。しかもマルティネスよりよっぽど良い環境にいたにも関わらずだ。快進撃を続けるスワンズの選手やフロントとロジャースは最高の関係を築いていたはずだ。さらにオファー元は8位とすぐ上まで落ちてきたリバプール。そのままスワンズを率いていたらリバプールを上回る順位でシーズンを終えていた可能性だってある。けれども、没落寸前の名門を再建しより大きなことを成し遂げたい、その一心ですべてを打ち捨てたロジャースは、並々ならぬ度胸とチャレンジ精神を持った野心家であることは間違いない。

そんな高い志を持ってやってきたロジャースは、自身の標榜するサッカーにも絶対の自信を持っている。スワンズ時代に席巻したパスサッカーをリバプールにも実現すべく、すぐさまお得意の4-3-3を導入した。中盤の二人を高い位置に置き、両ウィングが内に入りサイドバックが相手を押し込む。ロングボールは使わず、DFラインから繋いだボールをワンボランチが散してボールを支配する。この新たなスタイルを浸透させるべく、練習でもボールを使いながら行うことを徹底、確実に効果をあげている。しかしこれには弊害もあった。予てより怪我人の多さが懸念事項だったリバプールは、ロジャースの就任と共に昨年10月に新しいフィットネスコーチを雇っている。最初はこれが良い方に働き、アッガーやジェラードなどそれまで怪我がちだった選手の故障がぴたりと止まった。しかし時間が経つにつれて徐々に故障者が増え始め、今季に至ってはすでに10人以上が怪我で離脱を余儀なくされたのだ。これはリーグでも最も多い部類であり、トレーニングあるいはコンディション調整のどこかに欠陥がある事は明白だ。

ロジャースが来てから変わったのはサッカーのスタイルだけではない。積極的な若手起用でアカデミーから花開く選手が増えたのだ。その代表格が19歳のラヒーム・スターリング。昨季の序盤にロジャースに見出されると、17歳の若さでレギュラーに定着。イングランド代表のトップチームに招集されるまでになった。その他にもスソ、ウィズダム、フラナガンらがトップチームで起用され結果を残している。昨季はフロントの強化方針も相まってプレミアで一番若いチームになった。大胆な若手起用もまたロジャースの肝っ玉の大きさの表れと言えるだろう。さらにロジャースは、パフォーマンスが上がらずにくすぶっていた選手の実力を引き出すモチベータ―としても優秀だ。昨冬に獲得し大ブレイクしたスタリッジとコウチーニョは、共に所属チームで満足な役割が与えられず成長のきっかけを掴めずにいた。ヘンダーソンもダルグリッシュ監督の下ではポジションが安定せず伸び悩んでいたが、今ではリバプールに必要不可欠な選手に成長した。

しかしロジャースにも疑問の残る采配は数多く存在する。彼の目指すサッカーでは、ウィングは内に入りサイドバックの攻め上がりを助ける動きが要求される。しかし12月1日のハル・シティ戦では両サイドにモーゼスとスターリングという典型的なサイドアタッカーを配置した。ドリブラーはプレスを受けにくいサイドライン際にポジショニングしたがるので、サイドバックは上がれず相手を押し込めない。結果としてボールは前に進まず、自分でボールを持ち仕掛けることを身上とする二人はボールを求めて下がってきてしまった。これにより支配力を失ったリバプールは高い位置でボールを奪われ失点し敗れた。この試合はロジャースも非を認めているが、システムの機能を考えれば絶対に取るべきでない選択をなぜしてしまったのか。また試合中の選手交代も試合展開に因らずに同じ選手が出ることが多い。交代で出た選手が結果を残したことはほとんどなく、ジェラードやスタリッジなど出ずっぱりで疲れが心配される選手がいる中、リードしている展開でさえ交代させないのももはやおなじみだ。

さらに今でこそリバプールの中心選手であるヘンダーソンは今季の初めに売られる寸前までいった。またマージーサイドダービーでブレイクし一気に左SBのレギュラー候補にのし上がったフラナガンは、長らくウィズダムに追いやられユースでのプレーを強いられていた。出場機会を掴めたのは怪我人の多発によるものである。ヘンダーソンは長らく右サイドでプレーしていたが、左サイド(あるいは中盤の左側)でプレーさせた途端に覚醒した。また調子を戻したからいいものの、スターリング不調時にも一貫してアイブにチャンスを与えなかったのは理解に苦しむ。正直に述べて、ロジャースに選手を見る目があるのか疑問である。昨冬に獲得した二人の活躍で反論する声もあるだろう。しかしオーナーのFSGはデータを使ってメジャーリーグで成功してきた歴史を持ち、リバプールでも強化部門を設けているので、ロジャースは裁量の一部を握っているに過ぎない。


ロングパス割合の推移

下がりつつあったロングパスの割合が、冬の選手加入を境に再び上がっている



だがロジャースの最も評価できる点は、目指すサッカーを真摯に貫いていることだ。そもそも近年のリバプールは、古くはウリエ監督の時代からカウンターに磨きをかけて欧州王者にまでたどり着いたチームだ。所属選手もキープしたりボールをつないでいく戦い方は慣れていない。そんなチームで真逆のパスサッカーをしようと思えば苦労するのは目に見えている。事実、1年目は序盤なかなか勝利があげられず降格圏をさまようほど苦戦した。それにより中盤▽のフォーメーションを封じている。またコウチーニョ、スタリッジのパスサッカーに慣れていない新加入組により、支配するよりもスピーディーな展開が多発し、最小限に抑えていたロングボールも増えてしまった。それらの困難にもめげず一貫して哲学を浸透させることに専念した結果、12月から久しぶりに敷いた4-3-3が完璧に機能し見事な4連勝を成し遂げた。

今季は必ずトップ4に入らなければいけない。できなければスアレスが出ていく可能性があり移籍交渉でも不利になるので、チームの成長が急ストップするのは必然だ。リバプールでパスサッカーを実現させるというミッションは確実に果たすだろう。しかし頑固なロジャースはこれからも選手起用においてポカをやらかすはずである。あと半年、シーズン終了までにミスをしてもトップ4に入れるだけの完成度に仕立てられるか、ロジャースと時間との勝負の火蓋はすでに切られている。

Written by 皐月 @No8_is_No1

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カテゴリ:コラム

COMMENT

ブログ面白かったです。いつもありがとうございます。

私はロジャースがしたいパスサッカーを追及するならジェラードではないショートパス主体のSMFがチームの中心にくるんだろうなぁと思っているのでなんとも言えない気持ちです。ただやりたいサッカーよりとりあえず目の前の勝利という策になっていってるのが現実かと思っています。
とりあえずパスサッカーしたいわりに球離れの悪さが気になっちゃて。ドリブラー嫌いじゃないんですが現状怖すぎます。

ロジャースで一番気になるのは仰ってるように交代策ですね。本当に手を打つのが遅いし…打つ手がないってのもありそうですが。

いつも読ませて頂いてます。烏滸がましくてなかなかコメントせず読み逃げしてすみません!

今年も楽しみにしています。宜しくお願いします。

> hippoさん

いつもお世話になっております。今年もよろしくお願いします。

バルサでシャビがサイドチェンジでアクセント付けるように、ジェラードのロングパスはスピード、精度共に他にないストロングポイントになり得ると信じてます! でもドリブラーが普通にドリブルしてる今の状況はこの先改善して欲しいですよね。まぁモーゼスはいなくなるでしょうが。

1行コメントでもなんでも大歓迎ですよ! これからもコメントお待ちしてます(^-^)

補強の成功はFSGのおかげでロジャースは大して関係ないと書いてますが、もしそうならばキャロル、ダウニング、ヘンダーソン、アダムなどなどの大失敗はどう説明するのですか?

> あああさん

確かに11年夏の補強については、12年夏にオーナーがファンに向けて出した手紙の中で、あれが失敗だったことをほのめかしています。ですのでFSGの強化部門は苦いスタートを切ったことは間違いありません。しかし当時は初のサッカー業界進出でまともなスカウトが雇えていなかったはずです。その証拠に、ロジャース就任と同時期の12年7月にマンCでスカウトをしていたロブ・ニューマンとデヴィッド・フェルナンデスを新たに雇いました。つまり11年夏と今の強化部門では状況がまったく違うと考えるべきです。

一応述べておきますが、昨冬の成功にロジャースが何も貢献していないとは一切思っていません。基本的にスカウトはトップチームの監督のスタイルを基準とし、それみ合った選手を探してくるはずですから、根本的にロジャースの哲学がしっかりしていたことだけでも大きな成功の鍵になったはずです。
ただし、日々トップチームの選手の管理や先の対戦相手のスケジュールから対策を考え練習メニューを作ったりと多忙を極める中で、ロジャース自身が誰かを探し出してくるということはほぼあり得ないと思います。しかもデータサイエンスの力を信じるオーナーですから、強化部門にはスカウト以外にもアナリスト等の人材がたくさんいることでしょう。よって、ロジャースに大きな決定権があったとしても、強化部門の力が大きいはずだと私は考えました。

いかがでしょうか。私自身全ての事実を把握しているわけではないので推測も交えて語っています。もし納得のいかないところがあればどんどんつっこんで欲しいです。これからもよろしくお願いします!

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